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ガーゴイル像

2019/03/03

自分は、今のアパートで一人暮らしを始めてからもう4年目なんですが、
こんなことがありました。
仕事が早く終わり、早めに帰宅した自分は、
畳の上で横になったまま気付いたら眠ってました。
どれくらい眠ったかはわかりませんが、ふと物音がし、目が覚めました。
うちの建物はかなり古く(昭48築)、ドアは鉄製のドアのため、
開け閉めの際にかなりの音がします。
自分はその『ギィィィィィ』という音で目が覚めました。
『誰か来たのかな?』と思って起きようとすると、
なぜか体がまったく動きません。
いや、実際には少しは動くんですが、
手を軽く動かしたり出来るだけで、起き上がる事は出来ませんでした。
どんなに体を動かそうとしても動かず、かなり焦っていた時です。
ふと、近くに気配を感じました。
その気配は、自分の体の周りをゆっくりと周り、
自分の上に乗ってきました。
そこで自分は頭だけ起こし、その気配を見ました。
その時、
『ニャアアアアァァァァァァァァァァァァー』
と、今までに聞いた事も無いような猫の鳴き声がしました。
その声に驚いた自分は一気に体を起こしました。
頭がはっきりしておらず、
丁度悪夢にうなされて飛び起きたような感じでした。
その時には自分の上に猫は乗っておらず、
周囲を見回しても何もいませんでした。
とりあえずそのまま全ての部屋を見回りましたが、
どこにも猫はいませんでした。
そこでふと気付いたんですが、最初に書いたように、
うちのドアは鉄製で、かなりの重量です。
どこをどうやっても猫が開けて入って来る事は出来ません。
それどころか、部屋を見回って気付いたんですが、
全ての部屋の窓にはカギがかかっており、
玄関のドアまでもカギがかかっていました。
この状況で猫が自力で入ってくることはあり得ません。
そこで自分は、『夢だったのか』と考えました。
状況からすると、夢だったとしか思えませんでした。
しかし、自分が寝てた場所を見た時に、あれっ?と思いました。
体が動かなかった時に、手だけ動かしたんですが、
その際手が置いてあった雑誌に当たりました。
手が当たった際に、
その雑誌がそこにあるという事がはっきりとわかりました。
その雑誌は、友人が前日来た際に置いて行ったもので、
自分ではまったく意識してませんでしたので、
手が当たった瞬間まで、そこにあるという事には気付いてませんでした。
もしさっきのが夢だったとしても、
その際に手に当たった雑誌は確かにその場所にありました。
『やっぱり夢だったのかなぁ』と思いながら、
部屋を見回していると、ふとある事に気付きました。
うちのテレビの上には、友人が旅行のお土産でくれた
【ガーゴイル像】が置いてあるんですけど、
その像の、クチバシの部分が折れて下に落ちていました。
サイズ自体は縦40cmぐらいで、素材も陶器製で、
あまり大きな物ではありません。
その【ガーゴイル像】は、テレビの上に置いてありますので、
もちろん毎日見てますし、
今朝仕事に出かける時は確かにクチバシは折れてませんでした。
急に怖くなった自分は、
その日はもう一度カギの確認をしてそのまま寝ました。
それ以後、あの時のような現象は起こっていません。
ふとこれを書いてて思い出したんですが、
母方の祖母が、以前知人宅に泊った際に北枕で寝た事があったそうです。
自分の地元では、【北枕で眠ると死者に引きずり込まれる】と言われており、
普段北枕で寝る事はありません。
当然祖母も普段は別の方向を向いて眠ってたんですが、
知人のひいた布団が北向きだったそうで、
わざわざ北枕は駄目だと説明し、
方向を変えて貰うのも悪いと思ったらしく、
気にせずそのまま寝たそうです。
すると、眠っているときに、誰かに足を引っ張られる夢を見て、
夜中に起きてしまったそうです。
結局その日は一睡もせずにそのまま起きていたという事を
話してもらった事がありました。
そう言えばあの時、自分が寝てた方向は北枕だったと思います。
あの時自分の上に乗ってきたもの、確かに泣き声は猫でしたが、
体を起こした瞬間に自分が見たものは猫では無かった気がします。
何かこう黒いモヤモヤっとしたものだったような・・・

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