ちょっと変わった友人宅
2019/02/18
高校時代、友人Wの家に遊びに行った。
休み時間や放課後にWが
「我が家は幽霊屋敷だから、
肝の据わってない奴は来んほうがええよ、本当に」
とちょくちょく言っていたので、
半信半疑で泊まらせてもらった。
見た目は、団地にあるごく普通の一軒家。
少し違うことといえば、
家までの道のりに集団墓地があること。
そして、彼女の部屋(2階)から、
そこが丸見えなこと。
W曰く、1階に人が居て、
2階に人がいなければ2階で騒ぎ、
2階に人がいて(例、睡眠時など)、
1階に誰もいないときに1階で彼らは騒ぐのだという。
1階と2階に人が分散していれば……?
階段や廊下が騒がしくなるらしい。
夕方、彼女の部屋でゲームをしているとき、
それは起こった。
たんたんたんたんっ
誰かが階段を駆け上るような音。
「弟くんが帰ってきたん?」
「いんや。例の奴じゃろー。
弟は今日友人宅に遊びにいっとるはずじゃけ」
扉を開け、確認をしてみると。
電気は消されたまんまで確かに誰もいなかった。
もちろん、弟くんは帰っていなかった。
不思議に思いつつも、
お風呂がわいたということで一階に移動して入浴。
からすの行水である私が先にお風呂を借りて、
友人は1階のリビングでクイズ番組を家族と一緒に観賞。
きゃはははっ ざわざわ あははははっ
ぽかぽかと湯船でくつろいでいるとき、確かに2階で
「若い女性(大学生か20代前半ぐらい)の声」
がした。
あわてて飛び出て、友人に確認した。
「……今、誰も2階にいないよね?」
「おらんけど?」
「この辺り、若い女性っている?」
「隣はおっちゃんだし、裏と左隣は見てのとおり、山だし。
前は荒地だし」
……背筋が凍った。
もしかしたら友人Wにかつがれたのかもしれない。
けど、やっぱりあの家は霊の通り道なのだろうかと思う今日このごろ。