さかさ
2019/02/12
結構霊感の強い俺の友人の話。
そいつが盆で帰省して、
親戚の家に遊びに行ったときのこと。
親戚一同は買い物に行く事になり、
友人は独りで家に残った。
特にすることもなく、
居間のテレビの前で寝転がりながら漫画を読んでいた。
静寂の中、しばらく経った後、
そいつはあることに気が付いた。
「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
後ろの方で誰かが何かをボソボソと呟いているのだ。
途端に吹き出る寒気と冷や汗。
直感で「これはヤバイ」と思ったそうだ。
(友人曰く、昼間に出てくる霊はヤバイのが多いらしい)
どうしていいか分からないまま、
そのまま漫画を読んでいるふりをしていると、
その呟き声と気配がゆっくりと近づいてくるのを感じた。
「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
「何だ?何て言ってるんだ?」
恐怖で体を凍りつかせたまま、耳だけに神経を集中する。
呟きは近づいてくる。
声が近づいてくるにつれ、
だんだん後ろの人間が何を呟いているのか分かってきた。
こいつは
「さかさ」
という言葉を繰り返していたのだ。
「さかさ さかさ さかさ さかさ さかさ ・ ・ ・ 」
どんどん近づいてくる。ヤバイ。まじでヤバイ。
その「さかさ」という声が自分のすぐ後ろまで来た時。
友人は我慢が出来なくなり、意を決して、後ろを振り向いた。
すると、
「さかさ」
と言いながら、目の前で、
男の生首が逆さになって宙に浮いていたそうだ。
友人はそのまま親戚一同が帰ってくるまで気絶していたそうな。
「もしかしたらあの家の地下には首が逆さになって
埋まってるんじゃなかろーか・・・」
とは、後日の友人の弁である。