激しい夕立
2019/02/05
まだミレニアム前、
夏に彼女と一緒にTVの心霊特集を見ていた。
彼女が極度の恐がりなのを面白がって
わざとそういう番組を部屋を暗くしてみてた。
例によって、恐怖体験だとか心霊写真だとか(俺にとっては)
ありきたりの番組が終わった。
途中、日中暑かったせいか、突如激しい夕立が訪れ、
窓に打ち付ける雨の音が雰囲気を盛り上げたが、
これといったクリティカルに怖い内容もなく、
俺はつまらなそうに、そして彼女はほっと胸を撫で下ろしていた。
確か2時間特番で、19時くらいから見始め、
終わった頃には21時を回ろうとしており、
まだ夕食を済ませていないことに気付くとやたら腹が減った。
家にたいした食材もなかったので
コンビニに買い物に行くことにしました。
コンビニは家から5分もかからないところにあるのですが、
どちらがいくかということでジャンケンをし、
負けた彼女が心霊特集もあってか
半泣きで渋々アパートを後にしました。
「・・・バタン」
ドアのしまる音が聞こえ、
階段を下りる音が聞こえました(2Fなので)。
俺はゲームでもやるかなと、
テレビを外部入力に切り替えたその時、
「タンタンタンっ・・・」
とすごい勢いで階段を上ってくる音が、その後
「ガチャガチャ!!!」
慌ててドアを開けようとしているみたいでした。
玄関まで見に行くと、彼女が息を切らして、
「・・・・ってない!!」
慌てているようで言葉がつっかえます。
「何??どしたの?」
聞き返す俺に息を吸ってゆっくりいいました。
「雨、降ってない」
一瞬、何をいっているかわかりませんでしたが、
瞬時に先ほどの記憶が甦りました。
そうです、確かにTVの心霊特集を見てるときに
窓を打ち付ける雨が降り、彼女はそれにおびえていたのでした。
そんなハズはと思い、一緒に外に出てみたのですが、
道路は物陰すらも乾ききっており、
少なくとも1~2時間前に
そんな土砂降りの雨が降ったような形跡はまったくありませんでした。
あの時の雨の音はなんだったのでしょう。
確かに変な部屋で金縛りにはよくあいましたが
あそこまでへんな現象は初めてでした。