見てはいけないと分かっているのに
2019/01/12
ある晩。
夜中ごく普通に自室で眠ってたら
金縛りにかかった。
金縛り自体は昔からよくあるほうで、
せいぜい
「うへ、また来たよ」
くらいにしか思ってなかったんだが、
その日はいつものパターンとは違ったわけで。
慣れてるとはいえ、
まーちょっとは焦りつつ、
身体の動かせる部位確認。
手の先のほうとまぶた、
眼球は何とか動く。
ついリキむ癖があるので、
動く右手でパイプベッドの柵を
ガッツリ握り締めてみたりしつつ悶えていたら、
いきなり足首を掴まれる感覚。
「!!?!?」
ぶっちゃけ怖い話は好きだが
そこまで信じてはいない方で、
マジモンで掴まれるとか初めてだったので超焦り。
その上今度はなんかぼそぼそ声まで聞こえてくる始末。
ヤバス!テラヤバス!!
てか掴むんじゃねえええええせdrtfyぐひjこ
などと恐怖を感じつつ、
開けちゃいけない、
目を開けちゃいけないと思ってたのに、
馬鹿な俺はついついまぶたを開いてしまった。
掴まれた足首方向を凝視──なんもない。
強張ってプルプルしてるてめーの足が見えるだけ。
とたんなんかホッとして、
気付いたら声も足掴まれる感覚ももうなくて。
あー、夢か。
すぐ身体も動くだろ…
とか気合を抜いて視線を天井に戻した。
…父さん。
知らないオネーチャンの顔がボクを見下ろしてるよ、父さん。
俺超パニック。
目をギュッと閉じて声にならない叫びを
咽からヒューヒューもらしつつ、
いねバカ、帰れバカと脳内で絶叫。
しばらく悶えてたら
拘束感がすぅっと消滅、金縛りが解けた。
恐る恐る目を開けると、
もうそこにはオネーチャンの姿はなく。
もはや眠れず、夜明けまでドキバクしながら待った。
さて、ここからがある意味本題。
…どうして、目ー開けちゃいけないと思いつつ
ついつい見ちまうんでしょうね、みんな。
俺らテラバカス…