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的確な助言

2019/01/04

夏真っ盛りのある日、
Aは友人達と海に出掛けた。
海について大はしゃぎ。
水に入って泳いだり、
ビーチバレーなんかしちゃったりなんかしちゃってね。
そんなこんなで、誰かが
「スイカ持ってきたからスイカ割りしよーぜ!」
なんてね。言いだした。
女の子なんか、きゃーきゃー言っちゃって、
棒が当たっても力がないのか全然割れない。
まぁ女の子が一発で
「パカッ」
なんて割ったら、違う意味で恐怖だね。
とまぁ、そこでAの出番がきた。
目隠しをしてグルグル回されて
「はいっスタート!」
「右!右!」
「左!」
「斜め左!」
なんて、みんな口々に叫んでる。
誰が何を言ってるのか、うまく聞き取れない。
『なんだぁ?全然わかんね~!
右?左?割れなかったらカッコワルゥ』
その時…
「左よ」
女の声がハッキリ聞こえた
『OK左ね!』
左に向き直り少し歩くと
「そこ、右」
『…やけにハッキリ聞こえるなぁ』
「そのまままっすぐ」
『まぁ、いっか。まっすぐね』
「そこ、目の前にあるよ」
Aは思いっきり棒を振り下ろした。
「ボゴッ」
『やった!手応えあり!』
ボゴッグシャッ
何度か叩いた後、女の声がした
「ザ マ ー ミ ロ」
『ザマーミロ?は?』
ふと我にかえると周りの歓声が聞こえてきた。
…が、何か違う。
女の子の泣き叫ぶ声、人の悲鳴…
Aは目隠しをはずすのが怖かった。
恐る恐るタオルをはずすと
目の前にはパッカリと見事に割れた、
人の頭があった。
呆然と立ち尽くすA。
警察に連れていかれたAは必死に説明した。
「すぐ耳元で女が言った!
その通りに歩いてやっただけだ!」
だが警察からの説明はこうだった。
「周りで見ていた人によると、
君の近くにはそんな女なんかいなかった。
君が一人で少しも迷いもせず、
寝ている男に近付き、躊躇せず叩き割った。」
また、
「頭を割られた男は相当のプレイボーイで、
泣かされた女は数知れず。
中には自殺者もいたようだから…」ちなみにこのAは、今まだ刑務所にいるらしいよ

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