今も先輩は・・・
2018/12/29
これは私が23歳の頃にあった話です。
ちょうどその頃
私はある会社の企画部にいました。
「A(私)今日は飲むぞー」
私は珍しいなぁと思いましたけど
「はい」
「もちろんおごって下さいよ」
そして私はそのB先輩と共に
行きつけの飲み屋に行きました。
「いつものお願いね」
「はい」
「先輩知ってます?」
「なにが」
「昔、会社で殺人事件が起こったこと-」
と
「お前も好きだなぁ
この前はなんだっけぇ
この近くのマンションで飛び降り自殺の幽霊がでるだっけぇ
結局の所あそこでそんなことがあった事実はないのによ
いい加減にしろよ」
とここまではいつもといっしょでした
ところが突然携帯の着信音がなったので取ってみると
「今すぐに会社に来い」
「どうしたんですか」
「会社にくれば分かる」
とだけいわれ
「先輩すいません会社から呼び出しです」
会社に着くと
「部長、どうかしたんですか」
「Bが交通事故でなくなったんだ」
「え!」
私は何が起こったか
一瞬わかりませんでした。
そして考えました
必死にさっきまでいっしょだったのにと思いながら
しかしそうはいっても明日からの仕事はありますし
家に帰りました。
「あー遅刻だー」
と思いながら会社に急ぎました。
そこにはいないはずの先輩のすがたがありました。
今も自分が死んだことには
気が付いていないのかも知れません。
今は会社をやめて違う仕事をしています。
ときどき思うのです。
今も先輩は・・・