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モニターに映る老人

2018/12/21

実体験のお話です。
神戸の新開地をご存知の人はいるでしょうか?
阪神大震災でかなりの損害を被った場所です。
時は1997年に遡ります。
私は地元のとあるIT企業に就職しました。
ところが就職すぐに神戸に行ってくれとの命令が下り、
神戸の新開地に行きました。
オフィスは15坪ぐらいでそこで同僚5人とプログラムを組んでいました。
私のプロジェクトはかなり複雑でさらに納期が近づいている事もあり
開発が徹夜になる事は珍しくありませんでした。
そんなとある夜。
PM11:00を回ってモニタとにらめっこしていたのですが
モニタの右上に見た事もない老人が映っていました。
守衛さんか?と思って後ろを振り向いたのですが誰もいません。
見間違いか・・・と思ってまた開発に没頭していました。
深夜2:00を回り、夜食を食うかと思って
同僚3人と夜食を買いに行こうと思った時に
ドア(擦りガラス)の向こうに人影が見えます。
同じビルの人かと思って扉を開けたのですが、誰もいません。
不思議に思い同僚に
「今、人がいたよな?」
と聞きましたがみんな
「いた」
と言います。
頭を捻りながらコンビニで食べ物を買って帰ってきました。
ご飯を食べてまた開発しようと言う事でモニタを見たら
今度は間違いなく老人がいます。
驚いて後ろをふりむいたのですが、やはり誰もいません。
ですがモニタを見ると間違いなくいます。
同僚に
「おい、俺のモニタに人が映ってるよな?」
と聞くと同僚も目を大きくして
「いる・・・・」
と言います。
でも後ろを振り向いても何も見えないんです。
「なぜ?」
と同僚を話していたのですが、
今度は同僚のモニタにも同様の老人が映っています。
でもやはり後ろを向いても何も見えません。
驚いていた時に扉の向こうで突然
「バーン、バーン」
と音がしだし、
「熱い、熱い」
と聞こえてくるんです。
擦りガラスの向こうで
「水、水」
と聞こえます。
老人らしき人の手がガラス越しに見えるんです。
骨が露出しているのか時折
「カン」
とガラスに当たってました。
もうびびって全てを投げ出して全員で逃げてしまいました。
結局、その後その老人は1度も現れず開発は終了したのですが
未だにその老人はなんだったのかはわかりません。

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