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写真・思い出

2018/12/14

念願の彼女が出来て、二人でドライブに行く事になった。
彼女はイケイケだったり、ハジけてるわけでもない。
淑やかで清楚な感じの女の子だった。
ドライブの最中、好きな音楽や映画、景色などの話しをしながら、
極普通だが楽しんでいたのだが、
前方を走る車がスピードを下げて、少し反対車線に避けるように走った。
原因は猫?の轢死体だとすぐわかった。
昼間の時速3-40km、
徐行ではないが痛々しい猫の姿がハッキリ目視できた。
その光景に二人とも何か口にするわけでも無かったが、
彼女はそれから黙り気味になってしまった。
内心、優しい子なんだな、猫が好きなのかな?
ああいった場面が極度に苦手なのかな?と思った。
それから昼食を済ませたが、彼女は食欲もあまり無い様子で、
「少し気分が悪いから、今日はこれで家に送ってほしい。ゴメンなさい」
と言われた。
あれが原因かは知らないが、
気分の優れない彼女を連れまわすのは可哀そうと思い、
そのまま家に送った。
それから数ヶ月後、彼女は市内だが引っ越す事になった。
付き合うのに支障は無い距離。
俺は彼女の引越しの手伝いをした。
そして、彼女が買い物に行ってる間に、荷物の一つに目が留まった。
『写真・思い出』と書かれたダンボール。
興味で覗いてしまった。誰もが見たいモノだろ。
数十冊あるアルバムを広げていった。
幼少期、小中学生、高校、今でも漂う大人しそうな感じの子が彼女だとわかる。
そして数冊目、俺はどうしたら良いかわからなくなった…
そのアルバムの中は、轢死体の動物達の写真群だった。
十冊近かっただろうか…
あの日、彼女は本当に、気分が悪くて家に帰ったのだろうか。
家に帰って、そのまま休んだのだろうか。

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