従兄弟と蜘蛛
2018/12/13
従兄弟が自殺したんだ。
難病というよりは、奇病を苦にしたものだと思う。
詳しくは書けないけど、結構レアな病気らしくて、
普通に生活出来るけど完治不可。
ビジュアル的に、人と、
特に異性とは接触し辛くなるって感じの病。
鬱気味で、酒に溺れて、
伯母一家に散々な迷惑をかけて自殺したんだ。
ウチの故郷には、
『通夜の場に、亡くなった当人が蜘蛛に身を代えて出てくる』
という言い伝えがある。
地元の人間なら、誰でも知っている言い伝え。
通夜の晩、坊さんの読経が終わり、ちょっとした挨拶が始まった時、
大きいアシダカ姐さん(アシダカグモ)が出たんだわ。
かなり大きかったんでビックリしたけど、
従兄弟が最後の挨拶に来たのかなと、しんみりした。
次の瞬間、伯母がスッと動くと素手で蜘蛛を捕獲、そのまま握り潰した。
あの時の、無表情、絶対に忘れない。