本文の文字サイズ

生まれた

2018/12/12

9月頃、旅行で東北のある県に行った。
ついでに遠い親戚(嫁の従姉妹の嫁ぎ先)に顔を出す事になった。
けっこうな田舎で、従姉妹夫婦と子供、
旦那の両親が同居してて、俺は初見で挨拶したりしてた。
お父さんが熱帯魚好きで、
俺も好きなので色々話したら気に入られた様で大分打ち解けた。
畑から野菜取ってくるから持ってけと言うので、
俺も手伝おうとついて行った。
草刈り鎌を持ったお父さんと裏の畑に歩いて行くと、
途中の小屋の前でお父さんが
「ちょっと待ってな」
と言って小屋を覗く。
俺も後ろからちょっと覗くと、
大きな段ボール箱に布が敷き詰められてて
茶色の雑種っぽい犬が入ってた。
その周りに茶色の小さいのが三匹もぞもぞしてて、
どうやら生まれたばかりの子犬らしい。
「生まれたが~」
とお父さんがニコニコしてると、
母犬が鳴いてもう一匹生まれてきた。
今度の子犬は体が黒く、
頭だけピンクというか茶色というかそんな感じだった。
それが母犬にペロペロ舐められこっちを向いた。
顔が犬じゃない。
頭の毛が無く人間の様な顔をしてる。
「さん…」
その子犬が鳴き終わらないうちにお父さんが掴み出し、
首を鎌で切った。
人面?の子犬はぐったりして死んだようだ。
俺がびっくりして何も言えずにいると、
お父さんが
「こげなのはいかしといちゃなんね」
みたいな事を言って、
そのまま畑に行くとゴミ焼き用なのかドラム缶に放りみ、
小屋から古新聞やら雑誌やらを持ってきて
子犬の死体を焼いてしまった。
すまなそうに
「わりぃ、家のもんにはだまっどいてくれな」
とお父さんが言うので、何も聞けず野菜を収穫して戻った。
その後は普通に色々ご馳走になって野菜やお土産貰って、
特に何も言わず帰った。
あの子犬はただの奇形だと思う様にしてるが、
アレだったんじゃないかとも正直思うわ。
牛じゃないけども。

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

人気作品

人気カテゴリ

RSS