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2018/12/11

祖父の部屋にはお面があった。
観音様のような顔立ちで、ありがたそうな代物ではあったが
額に、顔だけ貼りつけたような面で、私は好きになれなかった。
ある日私は、一人で祖父の部屋で寝たのだが、そこで奇妙な体験をした。
お面は丁度、ベッドに横になると顔の真上にくる位置にあったのだが
深夜遅くに、そのお面から水のような物が落ちてくるのだ。
「お面から血!?」
と、直感的に思ったが
そんな、あるわけもない直感は見事にはずれる。
では何か?
その正体を突き止めるべく、私は明かりをつけ、お面をのぞいた。
何か動いてる。
お面をはずし、裏返してみると、大量の蛆虫が。
後日、寺へ持って行くと、坊主はこう言った。
「これ呪われてますねー」
軽いノリでね。
あー、思い出した。
祖父の部屋には、祖母の遺影と共に、知らない赤ん坊の遺影もあった。
白黒の写真だったので、相当昔のものだと思われるが
私がまだ小さかった頃、祖父が
「あの写真の裏に、虫が溜まっててなー」
とか言っていた記憶がある。
そして、その写真は何時の間にかなくなっていたが
絶対何かあったな。
あの部屋。

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