八甲田山
2018/11/21
大学の時だからもう3~4年前の話です。
盆に帰省して、友達の家の山の別荘に男連中5人で遊びに出かけた。
暑くて無風のジメッとした日だった。
夕方に現場に着いて、温泉に入りバーべキューしながらBEER飲んで、
イイ感じで時間は過ぎていった。
飲み物がワインに変わり、なぜかトランプがあったので
みんなで騒ぎながら大富豪をやってた。
そう大富豪になった人の命令は絶対に
服従しなければならないというローカルルール(俺達だけ)があるやつです。
何回目かの途中で大富豪になった奴が言いました。
「続きは・・後藤伍長の前でやる!」
ここは田代高原別荘地・・八甲田山・・あそこです。
酔っぱらってるみんなは
イイネ~イイネ~と言いながらもう行く気満々。
酒とトランプを持ってピクニック気分で歩いて行きました。
午前1時のことです。
上までの階段はなんとなくやだなーとは思ったが
みんな酔ってたので楽勝だった。
銅像の前に丸くなって、真ん中にライトを置いてまた大富豪。
霊感なんて良い奴はいなく、周りの空気なんて読めなかったんだね。
だんだん勝った奴の命令がエスカレートしてきて
みんなほぼパンツ一丁でトランプやってた。
これで最後だという時、銅像を正面に見て左側のけもの道に
30秒進んで帰ってこい!という命令。
しかも一番負けたやつ1人で・・
他のみんなは帰ってくるのを待ちながら帰りじたくをしてた、その時
「おわぁ------------------」
すかさずライトを向けたら叫び声と同じくそいつが走ってきた。
今まで見たことのない表情だ。
とたんにまじで周りの温度が下がった。
何だ?と思い暗闇の中を凝視すると、走っている後ろの木が
無風なのにものすごい勢いで揺れている。
4人とも固まって見ていると、
すぐ後ろを歩いている感じだけど
ピッタリつける様に複数の足だけが見えた。
青白い色の足達が何本も。
速効逃げた・・パンツ一丁で。
息切らして別荘に着いたみんなは、初めての体験だった。
どうすることもできずに帰ろうということになった・・が
帰れなかった・・
別荘の周りでは行進の様な、ザッザッザッザッという足音と
ときたま壁を外から叩く音が日が明けるまで続いた。
次の朝一に後藤伍長の所へ行ったら服とワインと煙草はあった。
ただトランプだけはいくら探してもなかった。
午前4時44分、今でも覚えてる。