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妖怪ぬっぺほふ

2018/11/05

小さい頃、妖怪の類が大好きで
田舎の祖父の家に帰った時は、
大喜びで妖怪が出そうな田んぼとか、山とか探し回ってた。
8才くらいの時だし、
小さい子が1人で出歩くのは危ないってので
祖父も一緒に着いてきてた。
ある日、いつものように
夜の9時頃祖父と山のあぜ道を歩いてた。
「妖怪いないかな!」
「○○ちゃんがいい子にしてたら出てこんのよ~」
とかいう会話を交わしていたような覚えがある。
歩いて15分後くらいに、
道のわきに狸が死んでいるのを見た。
狸なんてめったに見ないし
興味津々で駆け寄ってみると、
物凄い異臭がした。
匂いが脳にそのまま来る感じ。
全身に悪寒が走った。
子供ながらなんとなく危険な感じがして、
祖父の所に戻ろうと振り返った。
ぬっぺほふっていう妖怪知ってる?
名前の通り、
外見はピンクの肉の塊に
小さい手と足が付いていてどこか間抜けな妖怪。
水木しげるの妖怪図鑑に乗っていると思う。
それが目の前にうずくまっていた。
確かにピンクで肉の塊だったんだけど、
間抜けとかそういう物じゃなくて
垂れた肉がまるで顔のようにうごめいてた。
本当に怖かったのを覚えてる。
目を反らせなくて固まっていると、
彼(?)は消えた。
消える瞬間、
顔が歪んだように見えた。
消えた瞬間私は失神して、
気付くと祖父におんぶされて下山していた。
祖父曰わく、
「○○ちゃんが急にいなくなって探していたら、
山道の脇で倒れていた」
との事。
その後は家族にこっぴどく叱られた。
誰に話しても信じてもらえないと思って
数年誰にも言わなかった。
でも、今思うと妖怪は本当にいるんじゃないかと思う。
祖父だけは、信じてくれたのが強く頭に残っている。

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