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兵藤さん家

2018/09/27

先日、友達と二人で映画を観たり食事をしたりして遊んでいました。
さて、やることもなくなってきたので、どこいこっかー?どうせなら心霊スッポトでもいく?
ってな話になりました。
うちの近所には兵藤さん家という有名なオバケ屋敷がありまして、そこにこっそり忍び込んで酒でも飲もうか、ってことになりました。
兵藤さんちの向かいに立ってるローソンで酒とおつまみを買い、玄関に向かいました。
玄関の上の明り取りの窓には大きめの御札がはってあります。
もうそれだけでおなかいっぱいでした。
でも友達は悪乗りして玄関を開けようとしましたが、開きません。
鍵がかかっていたのです。
俺はこれで帰れるかなって思ったんだけど、友達はなんとしても入るようで、裏口に回りました。
裏口はなぜか開いていて、俺たちは兵藤さん家の探検を始めました。
探検といってもごく普通の一軒家なのですぐに全部の部屋を回り終えてしまいました。
一階の、おそらく居間と思われる場所で二人で酒を飲みました。
明かりは雰囲気を重視してろうそくを用意しました。
最初は
「兵藤なんざこわくねーよ」
とか
「どうせ幽霊なんて話ブラフだろ?」
何て言っていきがっていましたが、そのうちに友人の様子がおかしくなりだしました。
口数が減り、顔が真っ青です。
そのうちガタガタ震えだしました。
どうしたの?と聞くと、
「お前の後ろにさっきから女がいる」
と、ひどくおびえた声で言ったのです。
普段は幽霊に会っても幽霊をぶん殴るくらいの豪快な友人なので、このときの怯えぶりは、まさに友人がそれを見ているのだと思わせるような感じで、俺も恐くなりました。
やめてよーそうやって俺を恐がらせたいんでしょー?って言ったけど、
そうじゃないって!マジでいるんだよ!
って言って、ひどく怯えています。
でも相変わらず俺には何も見えない。
突然友人が
「ぎゃぁぁぁぁあAAあああ!!!!」
と叫びました。
おい、お前の背中に負ぶさってるぞ!といって、友人は這うようにしてその部屋を出て行きました。
俺も取り残されちゃたまらないので慌てて追いかけました。
足が震えちゃって上手く歩けない。
何とか兵藤さんちを抜け出して、車の中で振り返ると、今度は俺にもはっきり見えました。
玄関の明り取りの窓に貼ってあった御札の脇から、ものすごい眼で俺たちを睨んでいる女の眼が・・・。

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