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ひっそりと置かれた仏壇

2018/09/25

幼いころの記憶なので、細かいところはよく覚えていないのですが。
僕の実家には大きな土蔵がありました。
先祖代代伝わってきた、訳のわからない掛け軸とか、扇子だ壺だとかが、山ほどありました。
ある日、いいかげん古いものは処分しようと、家族総出で整理をしました。
出てくる出てくる、もう使い物にならないような花器や、古びた箪笥、なんでこんなもん取っておいたんよ、ってくらい。
僕はもうイヤになって、奥の方で探検をしていました。
そして一番奥に、四角い箪笥のようなものがあるのに気がつきました。
「なんだよ、また箪笥かよ・・・」
と思いながら、近くに行くと、ちょっと感じが違います。
よくよく見ると、どうやら古びた仏壇のようでした。
「と~やん!仏壇があるよ!」
父を呼ぶと、
「そんなアホな」
とか言いながら、奥に入ってきました。
そして、
「ほんとに・・・仏壇だなあ・・・」
父も、土蔵の奥にひっそりと置かれた仏壇に目を丸くしていました。
「誰の仏壇だろなあ?」
父は首をかしげながら、閉まっていた扉を開けようとしました。
しかし、1センチくらいは開くのですが、それ以上は開かずに、手を離すとすぐに閉まってしまいます。
まるで中から引っ張っているようでした。
父も僕も何回かチャレンジしましたが、すぐにイヤになってしまい、そのままにしておきました。
どうせ1日で全部片付くような広さでもなく、またにしようという話になり、この日は作業も終了となりました。
疲れもあってか、晩酌の時の父は面白いほど酔っ払っていました。
そして、また仏壇の話になりました。
「ありゃなんだろうなあ?」
家族のだれも知りません。
そして、一休みして疲れもとれた今なら開くかも?と、よせばいいのに父と僕は懐中電灯片手に、再び土蔵へと行ってみました。
昼間とはうって変わって、夜の土蔵は真っ暗でいやな雰囲気です。
父と僕は、仏壇の扉に手をかけました。
「せーのっ!」
掛け声とともに、力いっぱい取っ手を引くと・・・
「うわ!」
僕と父は思わずスッ転んでしまいました。
全く抵抗が無く開いたのです。
「なんだよ・・・」
父はぶつぶつ言いながら立ち上がると、仏壇を覗き込みました。
「ゲゲゲゲゲゲゲゲ!!!」
「あああああ!!」
奇妙な鳴き声と、父の悲鳴が一緒に聞こえました。
その時の光景は今でもしっかりと覚えています。
仏壇の中から、妙に干からびた、
爪の伸びた手が2本、父の頭を抱え込んで、仏壇の中に引っ張りこもうとしているようでした。
僕は半泣きになりながら、父に飛びつくと一生懸命引っ張りました。
しばらく、格闘が続いたあと、急に引っ張る力が無くなり、僕と父はまたもや尻餅をついてしまいました。
そして、わき目も降らずに家に逃げ帰り、その日は一睡もできませんでした。
夜遅くまで、あの
「ゲゲゲゲゲゲ!!!!」
という、聞いたこともない声が響いていました。
次の日、恐る恐る家族全員で仏壇を覗きに行くと、仏壇は扉が全開のままでした。
中にはなにも入っていませんでした。
ただ、仏壇の扉には、内側からひっかいたような後が、幾重にもついていました。
いったいあれは、何だったんでしょうか?

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