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事故死の老婆

2018/09/07

これは、私の知人Tさんが10年ほど前に体験したお話です。
その日Tさんは、知り合いの家へ遊びに行き、帰り道、家へと車を走らせておりました。
時刻はだいたい午後の4時ぐらいだったとおっしゃっております。
しばらくTさんが車で走っていると、いきなり雨の音が車の中にいるTさんの耳に聞こえてきたそうです。
「えっ、雨?」と思い、外を見てみるのですが、外は良い天気で晴れておりました。
Tさんが、そう思った次の瞬間、“ドサッ!”と、いきなりTさんの車に何かがぶつかった音がしたそうです。
その音がした瞬間から、Tさんは、急に寒気に襲われました。
霊的な「何か」が車にぶつかり、「それ」は、次にTさんの車のボンネットの上に乗っかってきました。
「それ」は、目には見えないのですが、なぜか「その何か(この世のものではない不気味なもの)」が車のボンネットに乗っかっているとTさんは、強く感じたそうです。
その時Tさんは、運転しながら、強烈な寒気を感じておりました。
Tさんはとても怖かったので、車を走らせながら「車から降りて!」と、心の中で必死になって「それ」に訴えかけました。
ボンネットの上に乗っている「それ」の存在を感じつつ、恐怖で気が狂いそうになりながら、車を運転していたそうです。
その間ずっと晴れているのに雨の音が聞こえていたそうです。
それから、とある信号のある場所で、信号が赤になったので、Tさんは車を止めました。
と、その時、車からドサッ!と、道に「何か」が落ちた音が聞こえたそうです。
それと同時に雨の音がピタッと止んだそうです。
そのまま怖いと思いながら家に帰り、気になったTさんは、いつもお世話になっている霊能者の先生に、電話でその事をお話ししました。
すると、晴れているにもかかわらず、雨の音がしだした場所で、雨の日に1人の老婆が車の事故にあっている、との話をお聞きしたそうです。
老婆の小さな体は、車のボンネットの上に、車にぶつかったその衝撃で飛ばされて乗ってしまい、しばらく走ったあとに、この信号のある場所で老婆の体が車から落ち、彼女は亡くなったそうです。
その事を、電話ごしに霊能者の先生がお話してくださったそうです。
その時電話口で霊能者の先生はTさんに、きっとその事故で亡くなった老婆の霊が、事故で亡くなる事になり、とても無念だったとTさんに教えたかったのでしょうとおっしゃったそうです。
このお話をTさんから聞いた時、私は背筋がゾクッとするとかの反応よりも、成仏は、やはり難しい事なのではないかと、またもや感じてしまいました。
死ぬのも成仏するのも本当に大変なことかもしれないと、私は思いました。

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