振り向くな
2018/08/31
中学の時の話でも。
俺の学校は小学校と横並びに建ってまして。
その小学校は戦前から建っていて、一部改装工事をした際、戦時中の爆撃の焼け跡が出てきたりしてました。
そのせいもあって、怪談話には事欠かない学校でした。
中3の頃、生徒会文化委員長をやってたのやが、それがまた面倒くさい仕事で、ベルマークの集計とか、、、
まぁそんな話はさておき、その日は文化祭の準備で連日、夜遅くまで準備に追われている時でした。
準備も一段落ついた頃、なんか話の流れから肝試しでもすることになりまして。会場は当然のごとく隣の小学校。
1階の教室の窓が開いているとの情報をもとに、そこから一人ずつスタートしました。
校舎はちゃんとした鉄筋コンクリート製なのだが、なぜか一階の廊下だけは木張りでできており、
歩くたびに
ギシッ ギシッ
と軋む音がして。
廊下歩くだけでも怖すぎるわ。
あげくに二宮金次郎が走ってくるんやろ、、、
などとぶつぶつ文句垂れながら歩いてました
ふと前方が気になり、目を凝らして見てみたものの、暗闇が続くばかりで特に変わった様子無し。再び歩き始めたその時、
ギシッ
前方から音が。
さらに一歩踏み出すと、それに合わすかのように
ギシッ
歩いて行くにつれ、おれの歩調に合わせて前方から何かが歩いてくる。
金次郎?
いやいや、そんなわけが。
大体、あれは銅像やし。
つーか、前には何もおらんし。
少しずつ前に進む俺。
それに合わせて歩いてくる金次郎。
逃げ出したい衝動を抑えながら廊下の中央まで進んだ。
そして、俺の一歩と金次郎の一歩が重なった瞬間、
目の前に女の顔が。
血みどろで、半分焼け焦げた痕が。
叫ぶことも忘れた俺に一言、
”ここから先は振り向くな。”
震える膝を堪えながら前に一歩踏み出すと、またそれに合わせて
ギシッ
今度は後ろから。
廊下の先にある壁だけを見つめてひたすら前へ。
それに合わせて遠ざかっていく足音。
ようやく壁にたどり着いたその時、俺の耳元で
”なんで振り向いてくれへんの?”