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金縛りに合ったので

2018/08/24

この体験は、私が18歳の冬、大学受験もいよいよ目前に迫って毎日勉強漬けの日々を送っていたときの話です。
私は、いつものように夜の12時頃まで勉強をし、ベッドにもぐりこみました。
疲れていたのであっという間に寝てしまったのを覚えています。
そして、どれくらい眠ったでしょうか、ふと目が覚めました。
仰向けの状態です。
あたりは真っ暗で、感覚的に丑三つ時だということが分かりました。
部屋の中も窓の外もしんと静まり返っていました。
そこで、私はあることに気がつきました。
体が全く動かないのです。
横を向こうにも頭も動かすことができません。
「あぁ、これが金縛りか」などと思っていましたが、実際にはそんなに冷静ではなく、「金縛り、どうしよう、どうしよう」と内心ものすごく焦り、完全に頭の中は恐怖に支配されていました。
これまで金縛りなんて経験したことがなかったのです。
それでも、なんとか自分を落ち着けようとしました。
金縛りは科学的に証明されている、体は眠ったままで脳だけ起きている状態だと自分に言い聞かせていました。
しかし、結局そのときの金縛りは決して科学で解明されているようなものが原因ではないということがその直後に分かったのです。
私は金縛りに合っています。
なので、体が動くはずがありません。
それなのに、私の両手が上へと持ち上がっていったのです。
ここで声を出そうとしましたが、もちろん声を出すことはできませんでした。
両手が持ち上がっただけでも恐怖でパニックになっていたのに、もっと恐ろしいことが起こりました。
両手が持ち上がったことで掛け布団が持ち上げられ、私の体と布団の間に30~40cmほどの隙間ができていました。
何か視線を感じ、恐ろしい空気を感じたので目だけでなんとか自分の胸からお腹にかけての場所を見ました。
その時に見た光景は、10年以上経った今でも忘れることができません。
そこにあったものは、落ち武者のような頭で、髪はぼさぼさで顔には血がしたたっている男の人でした。
ここでも叫ぼうにも叫ぶことができません。
その状態がどれくらい続いたのか分かりませんが、決して長い時間ではなかったと思います。
次の瞬間に自分の腕がぱたっともとに位置に落ちて戻りました。
それと同時に体も動くし、声も出るようになったので、その瞬間に叫んでいました。
それでも恐怖でベッドから出る勇気がありませんでした。
もうさっきの落ち武者はいません。
変な空気も部屋から消えました。
どうしてなのか、数分後に分かりました。
私の父が残業で遅くなり、帰ってきたのです。
母も起きてきて出迎えている声が聞こえました。
私は意を決して部屋を出て両親の元へいき、起こったことを話しました。
18歳にして、その後1週間は両親の部屋で寝たことは恥ずかしくて誰にも言えませんが、本当に恐ろしい体験でした。

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