ダムに身投げをした少女の霊
2018/08/04
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私が大学時代の話です。
時期は2000年ごろの夏だったと思います。当時吹奏楽サークルに所属していた私は、岡山県のとある宿泊施設で合宿に2泊3日で参加していました。出来事は合宿終了の前日、その宿泊施設で起こりました。この日の練習を終えたあと、夕食と入浴をすませて自由時間となりました。この日は、私たち以外に宿泊グループはいません。私はロビーの公衆電話から、のんびりと友人に電話をかけていました。あたりは静かで、誰も通りません。電話を終えるとほぼ同時に、サークルの仲間S君がベースをかき鳴らしながら歩いてきました。私「どうしたの?」S君「Yちゃんがパジャマでトイレへ歩いていったんだけど
なかなか帰ってこないんだよね。ここ通ったでしょ?」私「え?…誰も通ってないよ?」私とS君は、沈黙してしまいました。私はロビーのほうを向いて電話をしていましたが、電話中に通った人はいませんでした。しかもその後、まったく別の方向からYちゃんは私服姿で歩いてきたのです。Yちゃんはその話を聞いて爆笑していましたが、S君の表情は恐怖でこわばっていました。私もその時は「まあ、S君の勘違いだったのだろう」と思いました。しかしその後、事件は起こったのです。翌日朝には退所で実質、合宿の最終日ということもあり私たちメンバーは部屋に集合し、お酒を飲みながらウダウダと過ごしていました。話題はさきほどの「Yちゃんドッペルゲンガー事件」から自然と怪談話になりました。話が盛り上がってきた頃、霊感があるというA君がふと「なんか空気が重く…」と言いかけたときでした。「ガチャガチャガチャ!!」と、入り口のドアノブが何者かによってけたたましく鳴らされたのです。本当に怖い時には声が出ないものです。私たちは全員凍りつきました。なにしろ入り口はガラス戸で、向こう側の玄関や靴箱が丸見えなので、ドアノブを持つ人影が必ず見えるつくりなのです。しかしそこには、誰の影もありません。沈黙のあと、みんなはパニックになりました。すると、霊感のあるA君と、もう一人の霊感があるというT君が
「ちょっと調べてくる」と、二人で部屋を出て行きました。しばらくして二人が帰ってきました。彼らによると「階段に女の子が座っているのを見た。
Yちゃんに似た子はその子かもしれない」とのことでした。その時、鳥肌が止まらなかったのを覚えています。後日、インターネットで調べてみたところ
「近くのダムに身投げをした少女の霊が施設にあらわれる」
との情報が出てきました。もしかすると、私たちはこの少女と遭遇したのかもしれません。