カラオケボックス 21番の部屋には何かがいる
2018/07/30
これは学生時代に体験した実際の話です。
約7年前、私は地元の小さなカラオケボックスにてアルバイトをしていました。
従業員は全員で約30名近く。
朝・夕方・深夜とそれぞれのシフトで仕事をしていました。最初の1年間は夕方勤務でしたが、深夜は給料も上がることもあり、先輩に勧められて深夜の勤務に入り始めたころでした。「なぁ21番の部屋清掃行ってきてもらっていい?」声をかけられ「分かりました!」と応え清掃に行って帰ってくると先輩が言いました。
「大丈夫?何もなかった?」最初は何のことか分からず、「特に何もなかったのですが・・」と答えると「そうか。じゃあ大丈夫。」と言って厨房に下がっていきました。そのことが気になって、他の先輩に話を聞いてみました。「あー21番部屋ね。あそこね。出るらしいんだよね。」「え?出るって何がですか?」「ゆ・・幽霊・・がね。」今までそうした心霊現象を信じたことなかった私は半ば呆れ気味で、話を聞いていました。
先輩が言うには、お客さんがいなくなった後にカラオケの機材電源を切りに行く際に変化音が聞こえたり、テレビ画面に人形の姿が映ったりと過去のバイトの人から語り継がれている話のようでした。そして、実際にお客さんからも「変な声が聞こえるから部屋を変えてほしい」と言われたこともあり、このお店では21番には何かがいると言われているそうです。あまりそうした心霊現象に興味もなければ信じてもいない私は、21番の清掃を任されることが多くなりました。
とはいえ、誰もいない2階のカラオケルームというのは不気味で確かにあまり良い気分ではありませんでした。それでも、誰もやりたがらないなら自分が。そう思い仕事をしていました。そして、そんな中ついに自分もそうした心霊体験をするとは、その時は全く想像もしていませんでした。忘れもしない、冬が近づいてきた12月の上旬の深夜。
お客様も帰宅し、残っているのはアルバイト4人。
私は、0いつも通り「2階の清掃に行ってきます!」と2階へと足を進めていきました。トイレの清掃を行い、一部屋一部屋の電源を切っていきます。
そして、21番の部屋に入った瞬間、少しいつもと違う雰囲気を受けました。頭では、まぁ大丈夫だろうと思い、部屋を清掃していたまさにその瞬間でした。「ブチッ!」と自分の後方から変な音がしました。
恐る恐る振り向くと、そこには真っ暗なテレビ画面がありました。背中に嫌な汗をかきながら、「え?」と思わず声を出してしまいました。
カラオケの機材やテレビが自動的に勝手にスイッチオフになったのです。
こんな経験は今まで一度もありませんでした。スイッチを押して初めて切断される電源が勝手に消えた。
この事実が、21番の部屋で起こったことが更に恐怖を加速させました。そして、あたりがいきなり真っ暗になったのです。
もちろん電気のスイッチはオンのまま。パニックになった私はすぐに2階から1階に駆け下りました。結局、電気のスイッチは電球が切れていただけだったようですが、カラオケの機材の電源が切れたのは原因が不明でした。
しかも、5分後に2Fに行った際は大音量で機械がついていました。今まで信じたことのなかった心霊現象。
それ以降2Fの清掃は深夜アルバイトの中で、二人でいくというルールになりました。思い出せば今でも背筋も凍るあのできごと。
みなさんもカラオケ店に行った際は21番の部屋に気を付けてください。もしかしたらあなたの地元のカラオケ店かもしれませんよ。