夜の学校での恐怖体験
2018/07/13
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中学生のころ、クラスの女子の間で心霊やオカルト話が流行っていました。
私は、その手の話にまったく興味はありませんでしたが、女子と話すために、心霊やオカルトの本を読んだり、テレビを見たりしました。
その甲斐あって、女子のグループと会話をする仲になり、楽しい学校生活を送ることができた……といえたらよかったのですが、後日の出来事のトラウマが今でも私に悪夢をみせます。話しているだけでは物足りなくなった私達は、実際に心霊体験をしたくなりました。とはいえ中学生ですので、遠い心霊スポットにもいけないため、夜の学校に集まることにしました。私は前述したとおり、オカルトを信じていなかったため、夜の学校で女子と仲良くなれたらいいなと、そういう気持ちで参加しました。教師に覚えがいい女の子が学校の鍵を事前に手に入れており、教師達がいなくなる夜の10時以降に学校の正門前で皆集まりました。集まったのは、私を含めた男子二人女子二人です。私は密かに好意を抱いていた女子と二人で行動したかったため、四人で一緒に行動をすると、怖さも薄らぐため、二人づつで行動しないかと提案しました。
その理屈だと一人のほうが怖いのですが、さして異論もなく男女二人組になり行動しました。懐中電灯を持ち、夜の学校を徘徊します。
いつもは学生達の喧騒に隠れていましたが、夜の学校の静寂が醸し出す雰囲気の怖さといったら、しゃれにならないぐらいです。
そんな中でも私はなにげなく同行していた女子と手をつなぎました。
下心が怖さを克服したのです。私は有頂天でした。定番の理科室の人体模型なども見ましたが、そこまでの恐怖はありませんでした。私達二人はリラックスしたムードで会話しながら学校を巡りましたが、3階に到達した廊下の先に、人影が見えた瞬間空気が一変します。
友人達でないのは明らかです。背がものすごく高く、長髪でした。服装は白で統一されており、裸足でした。私達は固まりました。情けない話ですが震えて足が動かないのです。
そして次の瞬間人影は小走りに私達に近寄ってきました。理屈ではなく、本能でこれはまずいと感じ、二人とも全速力で逃げました。二階の廊下の端まで走って、一休みしましたが、人影は追ってきました。彼女はパニック状態になり悲鳴を上げて三階にまた上がっていきました。私も追います。いつも使っている教室に入り、息を潜めました。彼女と教室で二人きりでいるのに、頭の中はあの長髪のなにかの事でいっぱいでした。
あれはなんなのか。あんな背が高い教師はいないので、教師という線はありません。なにより、白装束と裸足で夜中の学校を動き回り、私達を見ると追いかけてきたという事実が、人間であったとしても、尋常ではないと確信させます。あれが人間であれお化けであれ、対面するのは危険だと判断した私達は、恐怖を抑えながら、その場でじっと長い間待ちました。数時間後、恐る恐る教室を出ます。周りに人の雰囲気はありません。
私達は暗闇に目が慣れてきたため、懐中電灯を点けずに、物音をたてないように、足音を殺して、慎重に進みました。時間にすると5分程度だったでしょうが、とても長く感じました。あの背が高い何かに出会わず校庭に出る事が出来ました。私達は友人達の事を心配しましたが、校舎の中にもう一度入る勇気はありませんでした。
もう家に帰っているかもしれないと、判断した私達は、家に帰ろうとしましたが、長髪のなにかが校舎から出てきました。私達は無我夢中で走り、学校を出ました。学校を出た後も体力が許す限り走り、体力がなくなりかけたころ、彼女の家につきました。
私達はぎこちない会話で別れました。その後私は人通りが多そうな道を選び家に帰りました。翌日学校でこの話をしたところ、友人達はどこを探してもいなかったので先に帰ったといっていました。
長髪のなにかも見ていませんでした。
あれが何だったのか、今でも考えますが、結論はでません。先日同窓会があり、彼女とこの事について話したのですが、彼女も人生で一番怖かった体験だといっていました。
興味本位で夜の学校を散策すべきではないと私に子供ができたら教えることにします。