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高校2年の夏補習での体験談

2018/06/23

これは私が高校2年生の時に体験した、少し不思議な話です。
私の実家は長崎にあり高校も長崎のミッション系の学校に通っていました。
その学校は、かねてより色々な霊現象が起こる学校として噂されており、入学したての頃は
「誰もいないトイレでヒソヒソと話し声が聞こえた」とか、「誰もいない教室から怒鳴り声が聞こえた」とかの体験話をクラスの生徒がよくしていたものでした。
しかし私にはそのような体験がなく、クラスメイトの体験話も半信半疑で聞き流すことのほうが多かったのですが、この体験をしてからは人知を超えた存在もあり得るものだと思うようになりました。この話の発端は8月の補習授業での出来事です。
当時、あまり勉強ができるほうではなかった私は、来年の受験に向けて夏休みの補習授業に参加をしていました。補習に参加していた人数は15名程で、私の席は後ろから2列目で私より後ろには生徒はおらず
ほとんどの生徒が視界に入っている状況で補習を受けていました。
補習がスタートして3日目のこと、わからない授業の内容に半分意識を失いかけ夢見心地で授業を聞いていた時のこと。初めは、後ろの棚がひとりでにギシギシと軋むような音がしたのに気付き、「うるさいなー」と思いつつもすぐに音が止み、特に気にせずまたうつらうつらと眠りの世界へ入ってしまう勢いでいました。
しばらくしてまたギシギシと音がし始め、さすがに音も大きかったため、後ろを振り返ってその音がした方向を見てみました。
もちろん私の後ろには誰もいませんので人はいませんでしたが、上履きや体操服を入れるための小さな木製ロッカーの棚の扉がひとりでに開いたり閉まったりしているのが見えました。
しばらく見ていましたが、見ている間もずっと大きな動きで木製の扉が開閉を繰り返しています。
少し不気味さを感じましたが、「クーラーの風かな?」と思い直し先生から注意される前に前を向き直しました。しばらくするとその音はならなくなり、授業もあと10分で終わりの時間となり、またうとうとと眠り心地になったころ決定的な出来事が起きました。
一瞬、背中に寒気が走り、ビクッと腕枕から顔を上げ、何事かと周りの様子を見ますが授業は淡々と進んでおり、自分以外の生徒は特に何かを感じた風ではありませんでした。
しかし私はこの時、ただならぬ気配を背中で感じていて、その気配もユラユラと動いているのが分かるくらい間近に感じ取っていました。ただならぬ気配に振り返ることはできず、恐る恐る床のほうから少しだけ後ろを覗いたとき 私は初めて凍り付くような感触を味わいました。
床をたどった先にはっきりと上履きの先の部分が見えたからです。
先ほど振り返った時にドアが閉まっていることも人がいなかったことも確認していましたので、まず人はいないはずなのに、私の眼には上履きの先の部分がしっかり見えてます。
怖くなった私は視線を動かすことも頭を戻すこともできませんでした。
そして次の瞬間、俯いた状態だった私の耳に物凄く低い声ではっきりとこう聞こえました。「さっさとこっちに来い!」その一言が耳の間近で聞こえ私はさすがに「うわっ!」と声をあげ椅子から立ち上がり前の席まで走りました。
先生も残りの生徒も何事かと全員驚いた表情で真っ青な私を見てました。
私はすぐに振り返りましたが、そこには誰もおらず、もちろん上履きもなくなっていました。
事情を先生やクラスメイトに話しましたが、声やそんな気配等は感じなかったとのことで、実際その後そのような事例の報告はありませんでした。しかしあの時聞こえた「さっさとこっちに来い!」という声は、16年たった今でも鮮明に思い出せるくらいはっきりとした声だったので空耳の類ではなかったと思います。
それから、今までは霊現象の類には出会えていませんが、あんな怖い思いをするのであれば今後も出会わないことを祈りたいです。

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