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古い校舎でのおそろしい体験

2018/05/27

私が通っていた小学校は当時でも創立120年くらいの、とてもとても古い学校でした。
校舎もものすごく古い木造校舎で、廊下を歩くとギシギシ音がするようなものでした。
そのような校舎ですから、当時の小学生の間では幽霊話が絶えず、冬の下校時などに少しでも暗くなるとひとりでは歩きたくないような状況でした。
よくある学校の怪談で聞くようなうわさ話ですが、音楽室の作曲家の肖像画が夜になると動き出したり作曲家の目が動いたりするとか、理科室の人体模型は走りだすとか、トイレには花子さんがいるとか、典型的な怪談が多かったように思います。当時、子どもたちの間では「コックリさん」が流行っていました。私も例にもれず、友人数人と一緒にコックリさんをして遊んだことがありました。真剣な霊を呼ぶようなものではなく、好きな男の子の好きな子の名前を知りたいというような軽い気持ちでやったりしていました。それでも本当に幽霊を見たり音を聞いたりしたことは一度もありませんでした。私も友人も自分が霊感が強いとは思っていなかったので、怖いもの知らずでやっていたからだと思います。私が体験した怖い話は、その小学校の体育館でのことです。
教室などがある木造校舎と同じように、当時の体育館も木造で、とにかく古いものでした。いや、むしろ校舎よりも古い感じでした。実際に体育をする場所はそれほど気にならないのですが、体育館の中にあるトイレや階段は日当たりも悪く、暗くいやな空気が流れているような気がするようなところでした。現在の小学生は授業が終わったら家に帰るというのが普通のようですが、私の小学校は田舎だったこともあり、授業が終わっても体育館やグラウンドで遊んでから帰るということが多かったように思います。下校時刻になって先生に帰りなさいと言われるまで、元気いっぱいに遊ぶような小学生でした。
その日は雨が降っていました。ですから、グラウンドでは遊べません。みんなで体育館でおにごっこをしたり、バレーボールをしたりして楽しく遊んでいました。いつものように、帰りが遅くなりました。季節は秋ぐらいだったと思います。だんだん日が短くなるような時期でした。よって、帰る時間にはすでに薄暗くなっていました。
日当たりが悪い体育館の廊下はすっかり暗くなってしまいました。先生に注意されるまで遊ぶような小学生でしたから、体育館の道具を片づけてからもまだ遊んでいたくて、廊下でかくれんぼをしていたのです。暗い廊下で、さらに見つからないようなところに隠れるなんて、今考えたらなんておそろしいことを、と思いますが、当時はあまり恐怖心を抱かずに遊んでいました。鬼の子がひとりひとりを見つけていきます。そのとき、たしかに全員見つかっていました。他には誰もいないはずでした。しかし、聞こえたのです、子どもの声が。
「もういいよ」「もういいよ」
かくれんぼですから、見つけてほしかったのでしょう。でも、本当にそのときは全員そろっていたのです。明らかにそこにいない人物の声でした。
私たちはいっせいに叫び、一目散に体育館を出ました。
心臓がドキドキして、その日の夜は部屋を暗くして寝ることはできませんでした。その後、古い体育館は建て替えられ、校舎もその翌年に取り壊し、建て替えられました。そして、近代的なきれいな校舎に生まれ変わりました。
幽霊など出そうもない体育館、校舎です。
しかし、今でも忘れられません。
あの暗い体育館の廊下には、私たちと一緒に遊びたい子どもの霊がいたのだと思っています。

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