私の人形
2018/05/19
私の親の家には、「私の人形」がある。
私の叔父には人形師の友達がいて、私が3歳の時の写真を元にしてそれをこしらえてもらったそうだ。
ちなみに、雛人形も全部私である。
まあ、それはさておき。
問題は、最初に作ってもらった人形である。
普通の市松人形で、所謂ロンゲのおかっぱ。
当時(幼稚園)の私はベリーショート。
で、デブだったので人形も伏せ目で作ってもらった(らしい)。
故に瞳は入れなかったそうだ。
それから十数年。私は高校生となり、親から髪を伸ばす事をやっと許された。
数年後、気づくとその人形と同じ髪型になっていた。
ある年末の大掃除の日、人形も掃除してやろうと、手にとったのだが、
人 形 と 目 が 合 っ た
思わず人形を取り落としそうになった。
瞳は入れてないはずなのに、何故?
これが不思議なことの始まりだった。
それからしばらくして、妙な事に気づいた。
人形の髪が伸びてる…?
背中でぷっつり切り揃えている筈の後ろ髪が不揃いなのだ。
この時は、
「まあ、湿気で伸びたのだろう」
とか
「古いから、何本か抜けて不揃いに見えるだけなのだろう」
で済んだのだが、私が美容院に行った次の日、人形の髪は、きっちり腰までで綺麗に切り揃えられていた。
以来、これは続いている。私は腰までの長髪で、半年に1度しか美容院には行かないのだが、親はその人形を見て、
「あ~**(私の名)は先週美容院に行ったようだね~」
とか言っているそうだ。
それが常に当たっている所が怖いのだが。
あ、落ちですか?
ありますよ。
一番怖い話。
ほんの数年前知ったのだけど、
「叔父の知り合いの人形師」
というのが、本当は
「叔父の愛人が人形師」
だったってこと。
…やはり恨みが篭っていると思います?
この「私の」人形。
親が亡くなったら私が引き取らないといけないんだろうけど…(雛人形込み16体)
ちょっと怖いです。