無音の世界
2024/08/08
小6のある日、お腹が痛くてトイレが長引き5時間目の国語の授業に少し遅れた。
慌てて教室に駆け込んだら、誰一人居ない。
今日は図書室だったのか、と隣の教室の前を通り過ぎて廊下の突き当たりの図書室へ行ったらまた誰も居ない。
パニックになりながら廊下へ飛び出した瞬間目が回るような感覚に襲われ、次にピーンという耳鳴りがした。
そして急に教室で話す声や椅子を引く音が一気に耳をつん裂いた。
すぐに教室に戻ると先生もクラスの皆もそこに、もうすっかり授業中なんだ。
「トイレに、、、」と席に着いてほんの1分前の光景について必死で考えた。
そのとき気がついた。図書室へ向かうとき隣の教室からも人の気配は無かった。
まるで世界がミュートになったように無音だった。
あの一瞬、自分はどこへ行ってたのだろうか、あるいは皆はどこへ消えていたのだろうか。
実体験です。