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パパが恐竜に食べられる夢

2023/02/19

子供というものは不思議な力や能力を持っていて、大人になるにつれそれらが消えていく。
皆さんもよく聞くことでしょう。

私が5歳の時によく「正夢」を見る事が出来た。
私が1番覚えていて今でもトラウマの夢は、「パパが恐竜に食べられる夢」だ。

どこかの遊園地で私、姉、ママ、パパ、おじいちゃん、おばあちゃんで遊びに来てきた。
ジェットコースターやメリーゴーランドに乗り、ごく普通の夢を楽しんでいた。(夢の自覚は無かった)

殆どの乗り物を乗ってしまって、少し休憩するためにとてもでかい噴水の前でみんなで座った。
その瞬間ドンッ!という音とともに大きな地震があった。

噴水のあった場所が湖になっていて、水色で首の長い恐竜がこちらを見ていた。
他の観客はみんな逃げる。大パニックになった。
私と姉はママに捕まり、急いでそこから逃げた。

目の前にドアが現れた。
急いでそこへ駆け込む。
しかし、私は気づいた。パパがいない。
後ろを振り向くと、恐竜に噛まれて動けなくなっているパパがいた。

「○○(私の名前)、助けて。こっちにきて。」

「パパ!!ねぇママ!!パパが!!」
ママは何も言わない。怒ってるように見えた。
じいちゃんとばあちゃんが口を揃えて言う。
「気にするな、○○。相手にするな。」
私は訳が分からず、ずっと泣いていた。泣いて誤魔化そうとしていた。
恐竜がパパを飲み込む、恐竜はなぜか泣いていた。

ハッと目が覚めた。真っ暗だった。真夜中だった。
汗がびちょびちょで自分の心臓の音が部屋に響いていた。
隣にいつもいるはずのママがいなかった。
泣きそうになるのを我慢しながら大好きなぬいぐるみを抱いてもう一度寝た。

翌朝、目が覚める。
昨日の夢の事を思い出し、パパと朝はちゅーしようと考えながら茶の間へ行く。
この時間はいつもパパは着替えていて仕事へ行く時間だ、と思いながら階段を降りる。

「あら、おはよー○○ちゃん」ママが出迎えてくれた。
顔がやつれていて、目の下のクマもひどかった。
私はこの瞬間、なぜだか分からないけど昨日の夢は普通じゃない。と確信した。

パパにちゅーしなきゃ。
ママの腕を振りほどき、いつもパパが着替えてる鏡の前へ向かった。

しかし、いない。
トイレにもいない。
パパの部屋は綺麗に片付いていた。
ものが無くなっているようにも見えた。

靴も無いので、仕事へ行ったんだなと思うのが普通なんだろう。
しかし私はそうは思わなかった。
もうパパに会えないという事がわかっていた。

パパは仕事に行ってるよ?とママは言った。
嘘だと思ったけど僅かな希望にかけて待っていた。
しかし、帰っては来ない。

ママとパパは離婚した。
しかしママはその理由を決して言わなかった。
私はおじいちゃんとおばあちゃんに夢の事を話した。

その夢で恐竜に食べられていなくなったパパ。
その翌日には離婚していなくなったパパ。
パパはなんで私を連れていかなかったのか。

全てを子供ながら話すと、じいちゃんは言った。
「○○はそういう夢は初めて見た?」

うん。と私は答える。
「自覚し始めたと言うことはもう終わりだよな??」とばあちゃんはぼそぼそ言っていた。

じいちゃんはめんどくさい顔で言った。
「実はな、お前、言葉覚え始めた頃からな、よく夢の話しをみんなに聞かせ回ってたんだよ。例えば、じーじ、ばーば、喧嘩はダメよ。と言ってきたことがある。
その日ばあさんが車ぶつけられたけど、大丈夫って言ってそのまま帰ってきて、俺と大喧嘩したことがある。
後は、友達が朝方持ってきた絵画を起きてきたお前が見て、あ、さっき夢でみたよーって嬉しそうに笑ってて、その絵画の元になった場所までピタリと当てたことがある。」

私は何故か怖くなった。
急にパパが「助けて。こっちにきて」と言ったのか疑問に思い始めた。
じいちゃんも、ばあちゃんもこのことに関しては何も言わず、今でも私は生きている。

しかし、最近になってようやく意味が分かった。
昔のアルバムを見ていたら、パパの写真があった。1枚だけ。
さりげなく、じいちゃんに「昔のパパって仕事なにしてたん?」と聞いたら、じいちゃんはこういった

「仕事はしてないよ。あいつは動物実験が好きだったらしい。」
「お前、今なら言えるけど、あのパパについて行ってたら確実に死んでたよ。
あのパパは正夢を見るお前の頭を解剖して研究したい。そう俺に言ってきたんだ。
ばあさんと話し合った結果、ママには悪いが離婚してもらう事にした。」

あー。なるほど。私は感心した。全てが繋がったような気がした。

「まぁ、言うなら最後まで言ってすっきりしようかな。
あいつな、ワニをサンプルにしようとして海外で業者に頼んで死んでるワニを買ったらしい。
だけど、実験中に急に生き返ったワニに頭噛まれて死んだらしいよ。
まぁ、こういうのも申し訳ないが、今までやってきた事のバチが当たったんだろうな。
頭噛まれてもなかなか死ねないから、そこら中にあった薬品を自分で浴びて死んだらしい。」

パパもワニも薬品を浴び青色に変色して発見されたそうだ。

あの夢は一生忘れることは無いだろう。
つい最近あの時の夢が全て繋がったのでここに書き込む事にした。

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