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最後の頼り

2018/09/15

以前友人に聞いた話。
その友人の知り合いの女の人の話でその女の人の家族構成は父、母とその女の人で3人家族だったという。
まだ女の人が小さいときの話。
その子の父親がかなりのギャンブル好きだったため、相当の借金を抱えていたらしい。
そしてその子が幼稚園に入ったあたりにその父が蒸発してしまった。
それで代わりに母が借金返済とその子を養うため朝、昼、晩とほとんど寝ずに働きに出た。
そしてその状態がその子が小学校高学年ぐらいまで続き、母はノイローゼ気味になってしまった。
そしてその母はある時その子にお守りを渡し、
「本当に辛くなったときに、このお守りを開けなさい」
といった。
その後その子が中学生になったころ母が疲労とノイローゼの為倒れ、入院してしまった。
その頃には借金の返済も終わっていたのだが、生活の面ではかなりの貧乏生活だったため、その子は新聞配達をはじめた。
それからちょっとたってから母が病院の屋上から飛び降り自殺をしてしまった。
その子は独りぼっちになってしまい、これからの生活などを考えると生きる気力もなくしてしまったという。
その時あることを思いだした。
以前母がくれたお守りのことだ。
彼女はすがる気持ちでそのお守りを開けてみた。
お守りの中には折りたたんだ紙が入っており、何か書かれている。
彼女はその紙を取り出し、広げてその紙を見てみた。
そこには母の筆跡で
「あなたも死になさい」
と書かれていた。

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