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出会い系サイト

2018/07/20

これはまだi-modeなどの携帯電話でのネットがなかった頃だが…
あるインターネットが趣味なTは既婚亭主であり、女房に内緒でいつの間にか出会い系サイトにのめり込んでいた。
相手の名前はA美。
Tは軽いオアソビのつもりで出会い系不倫をする程度だったが、相手の方はマジになってしまい、そのうちTのPCにA美『会いたい』だの『愛してます』、しまいには『結婚して』というEメールが届くようになっていった。
しかし、既婚男性の身であるTはウザがってメールを無視し続けたが、『これから会いに行きます』と言うA美の出会い予告メールが来た次の日にTのケータイに突然A美の声から電話がかかって来た。
だが、Tはメアド以外の個人情報は一切A美には教えなかったはずである。
さらに謎の電話は携帯だけではなく、なぜかTの会社の電話にまでかかるようになり、やがては会社のPCの電源をONにした途端、画面に謎の女性=A美が現れて『Tさん…』とつぶやくようになり、あわててPCを強制終了させたら、今度は同僚のOLがFAX文書を持って来たと思うと
『なんでPCの電源切ったの…』
という受信内容。
しかもTの異常な行動でそのOLも不審に思ってたが、Tは最近の仕事の忙しさとストレスで気のせいだと脳内を片付けようとしたが、全然そうはいかなかった。
Tは帰宅すると自宅のPCでメールチェックしようと起動した途端に画面にさっきの女性の人影がに出現。
しかも今度は強制終了もできず、画面の女性の姿はさらにはっきりと映りだし…
『やっと会えましたね…』
とスピーカーからA美の声が聞こえ、パニックになったTはPCのコンセントを引っこ抜いた。
しかし、
『無駄ですよ…』
A美はPCのモニターから再び話しかけてきた。
もはやここまで来ると人間のストーカーの仕業では無理であり、霊的な超常現象である。
ちょうどその時台所から夕食が出来たと女房の呼ぶ声がしたが、A美はここでTが既婚者だと察知してTを睨み付けた。
しかも今までTはA美へのメールには『独身』とガセたメールを送っていたのである。
Tはパニックのあまり逃げ出したが、そのとき自宅のFAXが鳴りだし、
『よくも、だましたわね…』
とFAX用紙が無くなるまで立て続けに受信し、用紙が切れると電話のベル音がA美のすすり泣く声になり、Tは無我夢中で電話のコードを引き抜き、恐怖のあまり女房にすがりつこうとしたが、彼女の顔は女房ではなく明らかにA美の顔であり、Tは発狂しながら離れた。
『愛してるってメールしたでしょ…』
それは、あきらかにA美の声であったがTのほうも、
「お前はただのオアソビ相手だったんだ!」
と逆ギレして反論したがソレがA美の霊をかえって怒らせてしまい、ついにはA美の霊はTへ包丁を向け、
『あなたは、あたしだけのものよ!』
もはやA美の霊はヒステリックの文字しか浮かび上がらないほど叫びながらTめがけて包丁を振り回した。
Tは腕の所を一か所刺されたが、そんな傷もかまってる暇もなく一目散に家を飛び出して逃げ出した。
しばらくしてTは自宅に帰ってきたが、女房はもとの女房にもどっており、あれから数時間たったはずなのに夕食は今出来上がったばかりのところだった。
そしてTはやがてプロバもメアドもケータイ番号も変更し、PCも買い変えてさらに御祓いも済ませたという。

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